出産してから母乳が出なくなるということもあります。
「母乳が出ないのは努力が足りないから?」
「本当は母乳で育てたいのだけど、諦めるしかない?」
などと母乳について悩んでいるママは少なくありません。
ここは母乳が出なくて悩んでいるママのために、母乳が出ない原因と増やすための方法を解説したいと思います。
この記事の内容
母乳が出なくなる原因
ホルモンバランスの影響
母乳が作られるためにはプロラクチンというホルモンと、母乳を出すためのオキシトシンというホルモンが重要になります。
この2つのホルモンのバランスが乱れてしまうと、母乳が出ないという事態に陥るわけです。
ではバランスを崩す原因は、一体どのようなことが考えられるのでしょうか。
原因として
- 卵巣機能の低下、衰え
- 睡眠不足
- 食事量不足、栄養不足
- ストレス
- 過労
- 運動不足
- 骨盤のゆがみ
などが挙げられます。
どれも出産後のママには当てはまりそうなことばかりですが、家族もママがこれらの原因に陥らないように家事や育児を協力することも大切です。
ストレスや疲れの影響
ママは出産するとすぐに育児が始まります。
特に新米ママなどは赤ちゃんを育てるだけでも不安と疲労でいっぱいです。
その上、自分の自由などまったくないほど、家事、育児に時間を取られてしまいます。
少しでも自分の時間を持ちたいと思っても現実にはなかなか難しく、疲れやストレスも徐々に溜まってしまいます。
ちょっとした合間でもゆっくり出来る時間や、好きなことをする時間をつくって、自分なりのストレス解消法を見いだすことも大切です。
貧血による影響
授乳中は赤ちゃんにとって大切な栄養素は優先的に母乳に取られてしまいます。
特に赤ちゃんは成長が著しく、血液の素材となる鉄カルシウムなど大量に母乳に取れていき、ママの分が減ってしまいます。
特に日本人は一般的に鉄やカルシウムは不足していると厚生労働省でも注意喚起しており、普通の食生活でも不足ぎみとなってしまうのです。
鉄不足によって貧血になりやすく、結果として母乳が出なくなる原因にもなってしまうのです。
食品から摂りにくい場合は、ビタミンB6、葉酸、鉄分などをサプリなどから補給するのもおすすめです。
ただし授乳中に適したサプリを選ぶようにしましょう。
他にも睡眠不足などによっても貧血を起こすことがあります。
特に夜泣きなどが多い赤ちゃんの場合、ママは睡眠不足になりやすいため注意が必要です。
食生活による影響
授乳中は食生活も栄養のバランスを考えて、必要な栄養素をしっかり摂るようにしましょう。
出産して、すぐにでも産後ダイエットを始めたいと思っているママもいるかもしれませんが、食事制限による産後ダイエットはあまりオススメできません。
授乳中は質の良い母乳を出すためにも、栄養はしっかり摂ることが基本です。
また、ママの分と赤ちゃんの授乳のために、1人分より多く栄養を摂る必要があります。
栄養不足や栄養の偏りによっても、母乳が出なくなるので注意しなければなりません。
母乳を増やす方法
授乳の回数を増やす
母乳は授乳間隔を空けるほど出にくくなると言われています。
そのため母乳をしっかり出すためには授乳の回数を増やして、授乳の間隔を短くするといいでしょう。
つまり母乳には刺激がとても大切だということなのです。
マッサージする
母乳を多く出すためには、マッサージが効果的です。
おっぱいを上手に刺激することで、母乳の量が多くなると言われています。
病院などではマッサージをしてくれる看護師さんやマッサージ師などがいてくれますが、自分でもできるので、ネットや本を参考にしてやってみましょう。
昼寝をしたり睡眠不足を避ける
睡眠不足は赤ちゃんの育児をしているママの多くが体験することです。
睡眠不足はホルモンバランスの乱れや貧血などの原因にもなり、母乳が出なくなる原因として注意しなければなりません。
とは言っても、赤ちゃんを育てているときにはとにかく睡眠不足に陥りやすいのが現実です。
そこで赤ちゃんが昼間眠っているときに自分もお昼寝をするなど、寝むれるときに少しでも寝ることが大切です。
体を温めて血行をよくする
出産の疲れも取れないうちに育児や家事など、ママの体はずっと疲れっぱなし。
その上、寝不足など体は代謝を落としがちです。
そのため、体を温めて血行を良くすることで代謝を高めましょう。
代謝が高くなることでホルモン分泌も高まり、いろいろな内臓機能も高まり母乳を健全に作り出すことができるようになります。
適度な運動をする
家事や育児で疲れていても、逆に適度な運動をするとストレス発散になったり、短い時間でも深い睡眠が取れるようになります。
その上、適度な運動は代謝を高め、ホルモン分泌も健全にしていきます。
また、肥満防止にもなるため、運動不足にならない程度の運動をしましょう。
例えば、ストレッチやスクワットなどでもいいので、毎日30分程度行うとベストです。
赤ちゃんをパパなどに預かってもらえるときには、30分程度気分転換も兼ねてウオーキングをするのもおすすめです。
栄養面に気を付ける
栄養的には「栄養のバランスを考えた食事+授乳のために必要な栄養素」を意識して摂るようにしたいものです。
ビタミン、ミネラルは欠かせないので野菜は不足しないように食べましょう。
特に緑黄色野菜もしっかり摂りたいものです。
また、赤ちゃんの脳の発育のためにも、肉だけでなく魚もバランスよく食べることを心掛けてください。
他にも血液や骨の成分となるカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛、葉酸などが含まれる食品をしっかり摂りたいものですが、なかなか難しいときには授乳中でも飲めるサプリメントなどを利用することもオススメです。
また、ダイエットのための減食などは、授乳中は避けなければなりません。
他にも添加物の多い食品をできるだけ摂らないようにすることも大切です。
産科でも以下のように発表しています。
母乳を十分に出すためには、ご飯や餅などの炭水化物やタンパク質を多く含む牛乳や乳製品、卵、魚介類、肉類、大豆製品をとることも必要です。
甘いもの、油物などエネルギーの高い食事のとりすぎは乳房トラブルの原因になりますので注意しましょう。
なお、母乳の88%は水分ですから、水分補給も忘れずに。
※引用元:管理栄養士による産前・産後の食事メニュー(群馬中央病院)
産後直ぐに母乳が出なくても落ち込む必要はない
もちろん出産の疲れや産後のストレスなどによって、出産後にすぐ母乳が出なくなることもあります。
しかし、落ち込むとさらにストレスを抱えてしまい出なくなってしまいます。
あまり深く悩まず、今は高い技術によって質の高いミルクもあるので、母乳が出るまではミルクで育てても問題ありません。
ケアをしていることで母乳が出ることもあります。
とにかく焦らず、母乳が出なくなる原因をできるだけ避けるように見直してみましょう。