出産後に嫌な体臭が出るようになった?臭いが出やすい部位やケア方法

臭いが気になる

出産後に体質が変化したり、肌質が変わったりといろいろな変化が起こります。
もちろん一時的な場合もありますが、出産がきっかけに体質が変わったという人もいます。

その中の例の1つに体臭があります。
出産後に自分の体臭が気になるようになったという人は少なくないようです。

なぜ産後に体臭が気になるようになったのか?
また、臭いが気になりやすい部位や、対策方法などを解説していきたいと思います。

出産後の体臭発生はホルモンバランスの影響

普通女性は生理というメカニズムの中で、リズミカルにエストロゲンが優位になったり、プロゲステロンが優位になったりとバランスを保っています。

妊娠するとプロゲステロンが優位になったままの状態となり、普通で言えばホルモンバランスが乱れた状態が起こります。

その上エストロゲンとプロゲステロンのどちらも、分泌量は急激に多くなるという状態になるのです。
これは妊娠して、赤ちゃんを体内で育てるために必要なホルモンバランスとなります。

しかし、出産と同時に普通のホルモン量やバランスに戻るため、急激な変化が起こります。
その変化が安定するまではある程度時間がかかり、ホルモンバランスの乱れによるいろいろな不調が出てしまいます。

その中の1つとして汗の出る汗腺が活発になったり、脂性肌になったりすることから体臭を強く感じることもあるのです。

妊娠中はホルモンの作用で代謝がよくなるので、汗腺の分泌が盛んになるなど、皮膚の機能が変化します。

引用元:赤ちゃん&子育てインフォ(公益財団法人母子衛生研究会)

現実に体臭が増えている場合と体臭は変わらなくても、その臭いに敏感になることから体臭が強くなったと感じる場合など人それぞれいろいろな変化が起こります。

これらはホルモンバランスが安定すると体臭が臭わなくなったり、体臭を敏感に感じなくなったりと、一時的な症状も多いので、あまり気にしないようにしましょう。

産後に体臭が発生しやすい生活習慣

食生活が乱れがち

女性が食事しているイラスト

産後は子育てや家事など忙しさに追われている毎日です。
そのため、食生活も乱れがちになってしまうママもたくさんいます。

赤ちゃんがいると、ゆっくり買い物も出来ない状態で、野菜をたっぷり食べたり、魚料理もできるだけ増やそうなど、食生活を真剣に考える暇さえありません。

空いている時間にサッとあるもので食事を済ませてしまうということも多くなり、スーパーのおかずやインスタント食品を使用することも増えることもあります。
それらのことも体臭の発生に影響がないとは言えないのです。

運動不足

出産後はとにかく毎日育児と家事でいっぱいになってしまい、運動は意外と不足しがちと言われています。

運動不足になると代謝が低下し血液中に刺激臭が多く混ざってしまい、それが汗とともに出てしまうので汗が臭く感じるようになります。

そのため毎日10分でもストレッチをするなど、運動不足の解消を心掛けましょう。

ストレス

もともと出産後はホルモンバランスが大きく乱れますが、その上出産した年齢が30歳以上になるとエストロゲンの低下によって年齢臭系の臭いも出やすくなります。

ストレスや緊張によって出るベタベタした汗に多く含まれている乳酸が、皮膚常在菌のブドウ球菌が結びつくとジアセチルに変化して悪臭を発生するのです。

出産後は産後うつなど、ママのストレスは増える時期なので、ストレス解消のためにたまには赤ちゃんを預けて1日ショッピングをしたり、美容院に行くなど周囲の人に甘えることも大切です。

臭いが気になりやすい部位

腋臭

脇の臭いを気にする

脇の下の臭いはどうしても汗が溜まりやすく、また汗腺も多いため気になるところです。
出産してから腋臭(ワキガ)臭が気になるママもいますが、脇の下の汗には普通汗とワキガ汗があります。

どちらの汗腺から出た汗にも細菌が群がり、それらの代謝物の臭いが一般的な汗臭やワキガ臭となって発生します。

ワキガ臭はアポクリン汗腺というところから出た汗のみ臭いますが、このアポクリン汗腺はたくさんある人、少しだけある人、まったくない人などいろいろです。
全くない人の場合、ワキガ臭は一切ありません。

しかし、少しだけある人でも数が少なかったり、汗腺が活発に活動していない場合はほとんど臭わないのです。

中でも今まで感じなかったママが、出産を機にワキガ臭が気になるようになった場合は、もともとアポクリン汗腺を持っており、それらが活発に活動し始めれば突然ワキガ臭を感じるようになる可能性もあります。

出産によってアポクリン汗腺が活発になってしまうという場合は、以前より急にワキガ臭が気になり出すこともあるのです。

ただし、普通の汗の臭いも無臭ではなく時間がたてば汗臭さがあり、ストレスなどいろいろな条件で汗の臭さが強くなることもあり、それをワキガだと思い込んでしまう場合もあります

チチガ

胸をおさえる女性

出産とともにお乳が出るために乳腺が発達します。
特にワキガ臭を出すアポクリン汗腺は脇の下だけでなくバストにも多いと言われているのです。

今まで眠っていたアポクリン汗腺が、活発化した乳腺によって刺激されると、同じく活発に活動しだすこともあります。

そうなるとバストからもワキガ臭が発生することもあり得るのです。

もともと普通汗の出るエクリン汗腺やワキガ汗が出るアポクリン汗腺の数は、生まれたときから増えも減りもしません。

しかし、アポクリン汗腺は活発化していないときにはワキガ臭がしないのです。
多くは思春期に活発になりワキガ臭が強くなりますが、もともと数が少ない人は何かの刺激がなければ特にワキガ臭を感じません。

そのため、出産のホルモンバランスの影響や、乳腺の活性化の影響でチチガになる人もいるのです。
一度活発に活動し出すと元には戻らないので、ずっとそこからワキガ臭が出るようになります。

すそわきが

ワキガ臭の原因とも言えるアポクリン汗腺は脇の下や乳輪付近、それにデリケート部分にも多く存在していると言われています。

チチガと同じように、今まで眠っていたデリケート部分のアポクリン汗腺が、出産というホルモンバランスの乱れによって活発に活動するようになると、デリケート部分からもワキガ臭が感じることもあるのです。

こちらも一度活発に活動しだすと、今後対策をしながらワキガ臭との長い付き合いとなります。

しかし、ホルモンバランスの乱れによって、オリモノなどにいろいろな成分が入り、デリケート部分のムッとする悪臭が発生する場合はホルモンバランスが良い状態に安定すれば自然と消えていくはずです。

産後の体臭ケア方法

清潔にする

お風呂に入るママと赤ちゃん

産後の体臭はワキガ系なら今後長い付き合いとなりますが、ホルモンバランスが安定すると消えていくという2つのタイプがあります。

どちらにしても、清潔にすることがとても重要です。
普通汗もワキガ汗も汗自体には臭いはありません。

しかし、汗に含まれている成分によって、群がった常在菌の代謝物の臭いが違うのです。
そのため、清潔にすることは、どちらもタイプの汗にとってもまず行うべきことと言えます。

毎日必ずお風呂やシャワーを行い、服や下着は必ず替えるなど清潔を意識しましょう。
デオドラント系の殺菌力の強い石鹸などを使用することもおすすめです。

魚や野菜中心の食事メニューにする

ワキガ臭の人はアルカリ食品を食べるようにし、体を弱酸性に保つことが大切です。
それによってアポクリン汗腺の活動が低下すると言われています。

また、普通汗でも、脂肪の多い食事は汗を臭くするため肉ばかりの食生活は避けましょう。
血液がどろどろすると体臭にも影響するため、血液サラサラ効果の高いDHA・EPAが豊富な青魚などをしっかり食べるようにしましょう。

デオドラントクリームを使う

脇の匂いをスプレーでケア

ワキガ臭でもすっきり抑えることのできる、質の高いデオドラントクリームが出回っています。

ワキガ臭の元凶とも言える汗の抑制効果、汗に群がる常在菌を徹底的に殺菌効果、それでも出てしまった臭いに対しての強力消臭効果と3段階を徹底的に抑えるデオドラントクリームを使用しましょう。

気になるようなら美容外科に行こう

どうしても気になるのであれば、美容外科に相談しにいくのもおすすめです。
重度のワキガの場合は手術で治す人もいます。

しかし、美容外科の施術内容によっては費用も高額です。
産後の体調の変化で一時的に臭いが気になっているだけの可能性があるため、まずは自宅でできるケアをしてから美容外科などの病院で相談してみてください。