離婚率が非常に高くなっている日本では、シングルマザーになることで子育てと仕事の両立に迫られ、仕事の形態について悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そんなシングルマザーは正社員としてしっかり働きたいと思っても、子育てを両立するためにはパートしかできないという現実もあるのです。
シングルマザーは一体どのような雇用形態がいいのか考えてみましょう。
この記事の内容
シングルマザーの働き方の悩み
働く時間は増やせない
シングルマザーになった場合、収入を増やすために働く時間を増やしたいと思うのは当然のことです。
しかし、仕事の時間を増やすということは、子どもとの時間を削ることにもなってしまい、子育てを第一に考えると思ったように働く時間を増やすことができません。
もちろん収入も増やす事ができないという状態が、現代日本のシングルマザーの実態なのです。
雇用形態で悩む
雇用形態というと大きく分けて
- 正社員
- パート・アルバイト
- 非正規社員・契約社員
- 個人事業者・フリーランス
という4つのタイプに分かれますが、シングルマザーになると、どの雇用形態が良いのか悩むところではないでしょうか。
もともとスキルを持って正社員として働いていた女性であれば、シングルマザーになってもなんとか上手に時間のやりくりをして子育てと仕事を両立できる場合もあります。
しかし、今まで主婦として特に小遣い稼ぎ程度にパートしかしていなかった女性にとっては、突然シングルマザーになったからと言って、正社員になって子育てと両立させるということはなかなか難しいことです。
パートやアルバイトとして働く
パートやアルバイトで働くメリット
シングルマザーの場合、夫と育児を協力し合うことができず、多くの場合は一人で子どもを育てることが必要になります。
そのため、どうしても家庭や子育てとのバランスを取りながら仕事をしなければなりません。
特に小さい子どもは急に熱を出したり、学校の行事などが多かったりと、休みたいときに休みを取りやすいパートやアルバイトはベストです。
また、子どもが学校から帰ってくる時間に合わせて仕事を終わらせるなど、子育て生活に仕事を合わせることができるのがパートやアルバイトの魅力と言えます。
パートやアルバイトでのデメリット
働きやすいというメリットのあるパートやアルバイトですが、逆に働いた分だけの時給を得ることになるため、欠勤する日が多かったり、ノルマに届かなければ収入は激減します。
ガンガン働ける人にとってはパートやアルバイトも良い収入源となりますが、シングルマザーにとってはメリットとデメリットの両方が共存していると言えるのです。
派遣社員や契約社員として働く
非正規社員で働くメリット
シングルマザーになったからと言って、正社員で条件の良い就職があるとは限りません。
そんなときには非正規社員で働くことでも、メリットがたくさんあります。
正社員と違い、時間的な融通をつけやすいというメリットがあるのです。
例えば、週に4日の出社や、1日5時間労働など、子どもとの時間を大切にしながら働くことができます。
この辺はパートやアルバイトと似ていますが、収入面では非正規社員の方が同じ時間働いてもずっと高くなる可能性があるのです。
また、非正規社員なら資格がなくても就職口は正社員よりずっと多く、子育てに対してとても理解のある派遣会社も多いという現状があるのです。
派遣先によっては非正規社員であっても、正社員への門が開かれているところもあります。
子どもが小さいときは子どもとの時間を大切にしながら非正規社員として働き、子どもが大きくなってしっかり働けるようになったら正社員を目指すということもできるのです。
派遣社員でも社会保険に加入ができ、厚生年金に加入することで将来の年金にも差が出ます。
非正規社員でのデメリット
非正規社員は1日の働く時間なども融通が利くことや出勤日数をセーブすることができますが、当然それと平行して収入も減ってしまいます。
正社員と同じような仕事内容であっても、収入面ではずっと安くなるというデメリットもあるのです。
また、正社員であれば賞与なども出ますが、非正規社員になってしまうとほとんどの会社で賞与などは期待できません。
他にも契約が終了した場合は、次の派遣の仕事が見つかるまで待機期間が発生することがあります。
待機期間の間は仕事がないため収入もゼロなのです。
この辺の不安定感がやはり非正規社員や契約社員の最大のデメリットと言えるのではないでしょうか。
非正規社員は社会保険にも加入できますが、派遣先の会社の切り替えによって加入手続きが難しくなることもあるので、派遣会社の人ときちんと話合っておく必要があります。
正社員として働く
正社員で働くメリット
やはり働くなら正社員がベストだと思っている人も多いと思います。
確かに収入や、さまざまな安定性などを考えると、正社員はメリットがたくさんあると言えるでしょう。
正社員は仕事をする日数も時間も長く、時給でなく月給制なので収入的にも安定しています。
非正規社員であれば契約を続けて取れるとは限らず、いつも不安定な状態に晒されるリスクがありますが、正社員なら定年まで働き続けることができるというメリットもあります。
会社によっては残業の免除や時短勤務などを積極的に取り入れた、シングルマザーにとってとても働きやすい職場もあります。
また、パートやアルバイトなどは国民健康保険に自分から加入しなければなりませんが、正社員であれば社会保険に加入することができるのです。
それにともなって健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険なども同時に受けられます。
正社員でのデメリット
正社員のデメリットではある程度収入も安定しますが、ほとんどの場合収入が高くなると児童扶養手当が出なくなります。
残業なども「今日は子どもが早帰りだから帰ります」なんて簡単に放棄することもできません。
責任のある仕事を任せられることになれば、小さい子どもを抱えて正社員として働くのは難しくなってしまいます。
時短制度などを積極的に行っている会社ばかりではなく、なかなか子育てとの両立が難しいということもあるのです。
個人事業として働く
個人事業やフリーランスとして働くメリット
現代はインターネットによって仕事の受注が変わったこともあり、フリーランスつまり個人事業者も増えています。
フリーランスの魅力は、やはり働いた分だけすべて稼ぎになるということです。
会社に雇われているときには正社員だろうが非正規社員であろうが、頑張っても即その分が収入になることはありません。
そのため、フリーランスはがむしゃらに働きがちですが、特に在宅ワークになった場合は子育てと上手にバランスを取ることもできるのです。
また、会社など人間関係の面倒なところから抜け出すことができるのもフリーランスの魅力です。
シングルになったからには、思い切り働きたい、稼ぎたいと思っている女性には魅力的と言えるでしょう。
ちなみに面倒な人間関係を我慢して仕事をする必要もありません。
このようにフリーランスはメリットがたくさんあるのです。
個人事業やフリーランスでのデメリット
個人事業やフリーランスのデメリットは、まず仕事に成功すれば収入も高くなりますが失敗した場合は収入がなくなることさえあり、収入についてはとても不安定だと言えます。
また、会社に束縛されずに子育てもしやすいと思われがちですが、案件を自分で取りに行かなければ仕事そのものが無くなります。
そのため、会社などに勤めているより、子どもに時間を費やせないこともあります。
個人事業をスタートしてある程度安定している状態で、シングルマザーになったのなら子育てとの両立も出来るかも知れません。
しかし、シングルマザーになってから独立をする場合は、子育てとの両立はほとんど無理に近いでしょう。
子どもはもちろん、自分も病気や体調を崩した場合なども仕事ができません。
フリーランスは世の中が求める技術、スキル、アイデア、実力などを持っていなければなりません。
そのため、自分に力があり、それをしっかり仕事に変えることができる力がなければ、仕事として成立せず失敗劇に子どもまで巻き込んでしまいます。
他にも社会保険なども自分ですべて加入することになりますが、自分ですべて行うのはとても大変です。
※フリーランスの場合は国民健康保険
フリーランスは働き方を自分で決めることができると思われますが、実はフリーランスほど仕事にふり回されやすいと言われています。
条件さえ合えば正社員が一番安心
結局、いろいろな働き方を考えていくと、やはりシングルマザーが一番ベストな働き方は条件の合った会社の正社員ということになります。
そして、子育てと両立をしなければならないシングルマザーを理解している会社であれば、よりベストと言えます。
とはいってもなかなか正社員としての条件の良い就職先は難しいため、まずは非正規社員から正社員を目指すという方法もおすすめです。
あまり焦らずに、少しずつ目的に近づくようにしましょう。