最近は子どもでもスマホを持つ割合が多くなっています。
お友だちがみんな持っていれば、持たないわけにはいかないというような状況もあるかもしれません。
そんな中、若い世代を中心とした「スマホ老眼」が増えていると言われています。
これから子どもにスマホを持たせるかどうか悩んでいる親にとっては、目のトラブルをはじめ、スマホの様々なデメリットはとても気になることではないでしょうか。
ここでは子どものスマホ老眼について解説したいと思います。
この記事の内容
スマホ老眼とは目のピント調節機能の低下
老眼とは加齢によって水晶体や毛様体筋が硬くなってしまい、近くのものを見るときの調整ができなくなってしまう症状のことで、早い人は40代から、多くは50代から増えていきます。
これは老化減少の1つとして仕方ないこととして、老眼鏡を掛けることで対処することになるのです。
しかしスマホ老眼というのは加齢とは関係なく、近距離からスマホを見る時間が長くなると、近い場所にピントがあったまま水晶体や毛様体筋固まってしまい、元の状態にサッと戻らないという状態になります。
そのため、スマホを見ていて急に顔を上げて遠くを見ると、ピントが合わないなどの症状が起こるようになるのです。
このような状態をそのまま続けていると、若いうちから老眼と同じ状態になってしまいます。
もちろん一時的にこのようになっても回復する場合もありますが、老眼を早めることにもなる場合もあるので注意しなければなりません。
子どもでもスマホ老眼になる割合が増えている
現在スマホを持っている子どもは、どんどん増えているのが現状です。
ゲーム機としてもスマホを楽しんでいる小学生たちも増えています。
子どもの場合は夢中になりすぎることも多く、瞬きもせずに目から近いところで必死にゲームをするため、ブルーライトの被害も当然増えています。
それと同時に老眼症状、つまりピントが合いにくいということが起こっているのです。
大人に比べまだまだ成長期にある子どもには、思わぬ影響が出てしまうことも心配されています。
※参考文献:最近の子供の視力および調節力の特性について(産業医学総合研究所)
スマホ老眼にさせてしまう背景や原因
スマホで動画を見せると大人しくなる
最近は赤ちゃんや幼児にスマホの動画を見せると、ぐずっていたり泣いている子どもでも大人しくなると言われています。
そのため、子どもがぐずると、つい親たちはスマホを見せてしまうこともあるようです。
このように赤ちゃんのうちから、スマホと慣れ親しんでいる子どもたちは増える一方。
幼児のうちから、親のスマホで遊ぶ子どもたちもたくさんいます。
小学校に入ると、だんだん安全のためなど兼ねてスマホを、持たせるようになると言われています。
そうすることで、子どもたちがスマホでゲームや動画を見続けてしまうことにもつながるのです。
自分の欲求にブレーキの利く大人だからこそ、体に悪い、目に悪い、スマホに振り回されてはいけないなど、いろいろな思いを持って、スマホを上手に使うことができますが、子どもはそのようなことはできません。
多くの場合、一番最初に分かりやすいかたちで出てくるのが目のトラブルです。
ピントが合わないスマホ老眼の年齢がどんどん低年化しているのも、こんな背景があるからなのです。
親がゲームなどでスマホを使っているとマネをしたくなる
大人でもついついやめられないスマホゲームは、子どもにとってはそれ以上に魅力のあるものなのです。
大人よりも簡単に依存していきます。
親がいつもゲームなどを行っていると、まだ自分のスマホを持っていない子どもであっても、スマホは楽しいものだというイメージを持ってしまい、スマホを持ったときにはあっという間にスマホ依存となっていく可能性もあるのです。
暗い場所でも画面が光るため興味が出る
暗い場所でも、画面がキレイに光るので、夜でもゲームや動画を楽しむ子どももたくさんいます。
暗い中でやった方が、逆に集中できてとても楽しく感じるかも知れません。
しかし、目のことを考えると、とても危険なことなのです。
ブルーライトは朝日の強い光線と同じく、目の一番奥まで届いてしまい、例えば改善する方法がない若年性黄斑変性などの疾患になりやすいとも言われています。
普通であれば老年になって起こる加齢黄斑変性が、今は若年で起こる人が増え、これもパソコンやスマホのブルーライト被害だと言われている現実もあるのです。
スマホ使用での二次被害
夜更かしをしてしまう原因に
スマホを子どもが使用することで目へのダメージだけでなく、いろいろな面で二次被害とも言えることが起こります。
スマホでゲームや動画を楽しみだすと、あっという間に時間がたってしまいます。
もちろん勉強などもおろそかになってしまいがち。
そのため、夜更かしをして、昼間学校でボーッとしてしまうという子どもも増えていると言われています。
テレビを見るわけではないので、親にも知られずに布団の中でゲームをし始めたら夜更かしも当然です。
猫背など姿勢が悪くなる原因に
スマホゲームなどをする場合は、画面を見ながら操作も行うことになり、どうしても熱が入れば入るほど背中が丸くなっていきます。
その上、毎日長時間このような姿勢を続けていることで猫背になります。
スマホを使わせる時はルールを作ろう
時間や回数の制限
やはり大人同様、スマホゲームなどは子どもにとっても楽しいものです。
そんな楽しいものが手に入れば、隠れてでもやり続けるはずです。
そこで、まだ自分で管理することができない年齢のうちは、親がスマホを見る時間、ゲームをする回数などの制限を課すことも大切です。
スマホを親が預かるなど、ある程度厳しい管理をすることも必要となります。
スマホに目を近づけ過ぎない
スマホに目を近づけないようにしなければならないことを、ときあるごと子どもに注意をしていくようにしましょう。
やはり目のトラブルについてもしっかり説明し、親が気づいたらしつこく注意をすることで、子どもも少しは意識するようになります。
まずは親自身が子どもの前でのスマホ利用を控えよう
やはり親がしていることを子どもは見ています。
親がやっていることは、自然に子どもは従ってしまうもの。
どんなに健康被害があると言ったところで、親が平気でやっていればそんな言葉は右から左です。
そのため、まず親自身がスマホ利用を控え、親も真剣にスマホ使用に対して注意しているという姿勢を見せることが大切ではないでしょうか。
それによって親の注意することも、真剣に聞くことができる第1歩となります。
それでも誘惑に勝つことはなかなか子どもでは難しいものですが、まず親から姿勢を見せることは最低限必要なことなのです。
視力はなかなか回復しないため予防が大切
スマホによる視力の問題は回復が難しいことも多いので、トラブルが起こる前に予防がとても重要です。
しかし、このように真剣に考えられるのは大人だからであり、子どもにこのようなことを真剣に考えながら使用しろと言っても無理なことです。
そのためやはり親がある程度スマホ使用の管理をすることも大切なのです。