子供の虫歯予防にフッ素はいつから使えるの?

歯科治療を受ける子供

「虫歯予防にはフッ素が良いと言われているけど、何歳ぐらいからフッ素を使えるの?」
という疑問を持つママも多いのではないでしょうか。

また、虫歯予防にフッ素は本当に必要なのか、それとも必要ないのか、などここではフッ素の使用について解説していきたいと思います。

乳歯が生えてきたらフッ素は使える

多くの自治体や歯科医は、乳歯が生え始めた頃はまだフッ素は不要と言っており、大体乳歯が上下4本、4本、合計8本生えたら、そろそろフッ素を始めるといいと言われています。

また、歯科医の使用するフッ素より、市販のフッ素は薄いと言われていますが、最初の頃は薄めのフッ素で充分。

今はフッ素入りの歯磨き粉やジェルタイプの使いやすいものもあるので、ママでも簡単に塗ることができます。

フッ素入りの歯磨き粉を使い始める際は、説明書に書かれている使用量より最初は少なめから初めてみましょう。
赤ちゃんが慣れてきて歯の数も増えてきたら、歯科で相談することもおすすめ。

歯科でフッ素を塗ってもらう場合は大体3~4ヶ月に1回行うと良いと言われており、歯の状態も診てもらえるので安心です。

大体1回500円から1000円程度で塗ってもらえますし、自治体によっては補助が出る場合もあります。

フッ素の働き

丈夫な歯

歯の再石灰化を促進する

口の中がずっと安定して中性を保っているとすれば歯の脱灰は発生しません。

しかし、口の中の状態は不安定であり、1日の中でも脱灰と、再石灰化が交互に起こっています。

砂糖類やデンプン質などを食べることで、口の中は酸性になり、酸性になると脱灰が起こり、カルシウムやリンなどが溶けて出てしまうのです。

また、口の中の状態がアルカリ生になると、唾液に含まれているカルシウムやリンによってエナメル質の作り出す再石灰化が起こります。

そこでフッ素を塗ることで、この再石灰化を促進し、初期虫歯なら修復することもできるのです。
とは言っても虫歯の修復には6~12ヶ月掛かるとも言われています。

歯をコーティングして強化する

フッ素によって歯をコーティングするため、酸にとけにくい状態になります。
そのため、虫歯菌による酸に負けない強い歯を作ってくれるのです。

特に乳歯は硬さも大人ほどではないので、しっかりコーティングすることでしっかり守られます。

虫歯菌を抑制する

フッ素により歯磨きで落としきれない歯垢が作り出す酸を抑える働きがあります。
それによって虫歯を抑制することができるのです。

人体への悪影響はない

フッ素は人体への影響はないのかということも、不安に思っているママもいるかも知れませんが、世界中の研究結果からもフッ素が人体に悪い影響を与えたという報告は出ていません。

ただし、世界保健機構WHOでは6歳未満の子供には勧めていません。

それは大量に体に入ったときに嘔吐することがあるからとされています。

例えば、フッ素液を幼児がジュースと間違って飲んでしまったというようなことがあれば、嘔吐してしまうということはあるかも知れません。

しかし、歯に塗る程度でそのようなことにはならないので、実際は無害と言われており、フッ素入りの液体でのうがいを実施している小学校もあるほど、安全性の高いものなのです。

もともとフッ素は魚や海藻、塩、味噌などにも含有している成分ですので、大量摂取しない限り特に問題はありません。

自宅でフッ素ケアをする方法

歯磨き粉

歯磨き粉タイプ

フッ素入りの歯磨き粉を使った場合と、フッ素の入っていない歯磨き粉を使用した場合では、フッ素の入っている方が26%も虫歯が少なかったという結果も出ています。

また、毎日1~3回程度の歯磨きは誰もが行うことであり、日常的に毎日フッ素を歯にコーティングすることになります。

そのため、直にフッ素を塗るよりずっと濃度の薄いフッ素であっても、毎日続けることでフッ素の良い効果をしっかり得ることができるのです。

定期的に医師に塗ってもらわなくても、毎日の歯磨きでフッ素を塗ったような効果が得られます。

歯磨きしてもらう幼児

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歯磨きジェルタイプ

歯磨きジェルタイプはクリーム状の歯磨きタイプより、使いやすいと感じる人も多いようです。

特に大人がしっかり歯磨きをしてあげる幼児の場合は、ジェルタイプの方が泡はあまりたたないため、しっかり歯の汚れを見ながら磨いてあげやすいと言われています。

洗口液タイプ

洗口液タイプは、歯磨きの時間がないときにとても便利です。
例えば、外出先などで歯磨きはちょっとしにくいというときでも、洗口液タイプなら食事の後にくちゅくちゅと濯ぐこともできます。

また、幼児は頻繁にジュースを飲んだりお菓子などをつまんだりすることもあり、そのたびに歯磨きを行うのは難しいため、ちょっと濯ぐだけなら簡単にできて便利です。

歯磨きが嫌いな子供にもおすすめですが、もともとフッ素は虫歯を治すものではなく虫歯予防が目的なので、歯磨きは別にきちんと行うことが大切です。

どんなに歯磨きが嫌いな子供でも、1日1回はきちんと歯磨きをする習慣を付けるようにしましょう。

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年齢別で必要なフッ素の濃度は違う

フッ素を使用するときの濃度も知っておくことも大切です。

年齢 フッ素の濃度 注意点
生後6ヶ月~2歳 500~1000ppm 目分量としてはフッ素配合の歯磨き粉は、赤ちゃんの中指の爪を切ったときの、切った部分程度と言われており、本当に少量となります。仕上げ磨きのときにママたちが使用するようにしましょう。
3歳~5歳 500~1000ppm 歯磨き粉を5mm以下程度歯ブラシに出し、2歳までの量の2倍程を使用します。上手に歯磨きできない子の場合はママが仕上げ磨きのときに使用し、歯磨きの後は5~10mlの水で1回すすぎましょう。
6歳~14歳 1000ppm 大体1cm程度を歯ブラシに出して使います。しっかり磨いたら最後に10~15mlの水ですすぎましょう。
15歳以上 1000~1500ppm 歯磨き粉を歯ブラシに1~2cm程度出し使用します。最後に10~15mlの水ですすぎます。

このように年齢によって濃度の違うフッ素配合歯磨き粉を使用しましょう。

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フッ素はあくまで虫歯予防

フッ素はエナメル質をコーティングすると同時に、初期の虫歯を改善することができます。

とはいっても、エナメル質の凹みや傷を修復する働きがあり、たまたま初期段階の虫歯を治すことができるだけで、基本的には虫歯を治すものではありません。

あくまでも虫歯予防が目的となります。

虫歯があった場合は大きくならないうちに歯科に行って早めに治療してもらってください。

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