子育てをしている中でよくある悩みが乳幼児の肌トラブルです。
「赤ちゃんの肌の保湿が大切なのは知っているけど、いつから始めればいいの?」
「肌荒れがあってからスキンケアを続けているけど、いつまで続ければいいの?」
などスキンケアに関して疑問を抱いている人も少なくありません。
赤ちゃんの肌は毎日スキンケアをするかしないかで将来の肌質に関わるとも言われています。
肌トラブルを起こさないためにも、ここでは赤ちゃんのスキンケアの重要性を紹介していきます。
この記事の内容
赤ちゃんのスキンケアはいつから始めるべきか
ずばり生まれてすぐからスキンケアをしましょう。
赤ちゃんは生まれる前、ママのおなかの中にいる間は紫外線や乾燥などの外的刺激とは無縁で、常に守られた環境で過ごします。
しかし、生まれておなかの外に出た瞬間から様々な外的刺激にさらされることになるのです。
春夏には強い紫外線ダメージ、秋冬には冷たく乾燥した空気、エアコンによる冷暖房や空気中の細菌など、季節問わずお肌は年中何かしらの刺激を受けることになります。
生まれたばかりの赤ちゃんのお肌は、肌のバリア機能が未熟なためとってもデリケート。ちょっとの刺激でも肌トラブルを起こしやすい状態です。
赤ちゃんのお肌を守るためにも、スキンケアデビューは生まれてすぐからがタイミングと考えてください。
普段からスキンケアをしている乳児:41.3%
乾燥した時期だけ保湿剤を使用した乳児:62.2%
と普段からスキンケアをしておくことでアトピーの発症リスクを抑制できると発表されています。
スキンケアはいつまで続けるべきか
小さな子どものお肌は、生まれてから肌が成長する3歳までのスキンケアがとても大切と言われています。
それまではママによるスキンケアのサポートが欠かせません。
しっかりとお肌をケアしてあげることで、肌のバリア機能が成長途中でも外的刺激にも負けない健康的なお肌を維持することが可能です。
この時期にしっかりとスキンケアをして肌トラブルの起きにくいお肌を保つということは、その後も肌トラブルの起きにくいお肌に育てることにもつながります。
赤ちゃんにはなぜスキンケアが必要なのか
お肌の構造が未発達な赤ちゃんは、様々な刺激によって肌トラブルを起こしがちです。
しかし、しっかりとスキンケアをすることで未熟なバリア機能をサポートでき、大抵の肌トラブルを防ぐことは可能。
肌トラブルから赤ちゃんのお肌を守ってあげられるのはママの優しい日頃のスキンケアだけです。
紫外線や乾燥した空気の他、よだれや涙を拭きとってあげる時の摩擦、おしっこやうんちの汚れによる細菌など、外的刺激による炎症から赤ちゃんのお肌を保護してあげましょう。
赤ちゃんの肌の厚さが大人の約半分
皮膚の一番外側にある表皮の厚さは、大人でも約0.2mmしかありませんが、赤ちゃんの表皮はさらに薄く大人の約半分と言われています。
それだけ表皮の薄い赤ちゃんのお肌は、外的刺激による少しのダメージでもトラブルを起こしやすい状態なのです。
一年中乾燥しやすい肌質
みずみずしく見える赤ちゃんのお肌でも、実はものすごく乾燥肌。
お肌の「天然の保湿クリーム」と呼ばれる皮脂膜もない状態なので、常にお肌の水分が蒸発しやすい環境にあります。
大人とは違い年間を通しても赤ちゃんの水分保持量は不安定な上にかなり少なく、乾燥が気にならない夏ですら大人の半分以下の水分量しかありません。
新生児のスキンケアのポイント
生まれたばかりの新生児赤ちゃんは、ママのおなかにいた時に受け継いだホルモンの影響などにより、皮脂の分泌量がとても多くなります。
そのため、皮脂分泌が落ち着いてくる生後2ヶ月までの間に乳児脂漏性湿疹になってしまう新生児赤ちゃんは非常に多いのが現状です。
赤ちゃんの皮膚はとても薄く、摩擦によっても肌トラブルを起こしがちなので、ガーゼなどで拭き洗いするより、ふわふわの泡をママやパパ自身の手で、優しくマッサージするような感覚で洗ってあげましょう。
見落としがちな耳の裏や首元、指の間や関節などのシワ部分、おまたやおしり周りなどのデリケートゾーンの汚れも洗い残しがないように注意してください。
生後2ヶ月頃までのスキンケア
まだまだ皮脂分泌が盛んな生後2ヶ月の赤ちゃん。新生児期と変わらず、ふわふわのシャンプー泡で優しいハンドマッサージ洗いが必要です。
季節問わず毎日お風呂で体を清潔にするということは、肌トラブルを防ぐ第一の方法でもあります。
汗や皮脂汚れがとても溜まりやすい首周りのシワや腕・足の関節部分のシワの中も、しっかり洗ってあげなければ、洗い残ってしまった皮脂汚れや細菌が元で炎症を起こしたり、嫌な臭いの原因にもなります。
生後2ヶ月までの赤ちゃんには脂漏性湿疹ができやすいので注意が必要です。
お風呂で清潔にした後は、とにかく早めに保湿してあげましょう。
体温が上昇すると、体の体温を調節するために水分の蒸発速度は速くなります。
必要以上の水分が蒸発してしまわないように、たっぷりクリームを塗って保湿してあげましょう。
生後3ヶ月頃からのスキンケア
個人差もありますが、そろそろ皮脂の分泌量も落ちついてくる頃。
皮脂の分泌が落ち着くと乾燥具合も一気に増します。
きれいに「洗い」しっかり「潤す」スキンケアを心掛けてください。
とくに乾燥が酷い赤ちゃんには、使用するシャンプー剤によっても刺激になってしまいます。
肌に負担にならない洗浄剤が配合されているシャンプーなのかもよく見て使用する必要があります。
赤ちゃんの肌状態にも気を付けて観察してみてください。
お風呂後は時間を置かずに素早く保湿。時間を置くことで乾燥が進んでしまうとかゆみが生じる原因にもなりかねません。
体の水分を優しくタオルで拭き取ったらすぐに保湿して潤いを与えてあげましょう。
イヤイヤ期でスキンケアを嫌がる場合の対策
1~2才に見られがちな「イヤイヤ期」。自我が芽生え始め、なんでも自分の思い通りに動きたい年頃。「あれイヤ!」「これイヤ!」なんて日常茶飯事で、子どもの自己主張を全て受け止めてあげられないママの大変さは計り知れません。
お風呂入るの「イヤ!」、保湿するのも「イヤ!」。
そう言われてしまえばスキンケアしてあげることすら難しくなってしまいます。
そんな時は、お風呂に入る事、保湿する事が「楽しい」「やりたい」と意欲を掻き立てるような工夫するのもひとつの手です。
お風呂の中で遊べるようなおもちゃで誘ったり、お風呂から出た後で少し一緒に遊ぶなど、楽しい事を想像させるのもいいかもしれません。
また、お風呂後の保湿ケア時にはママと楽しく塗り合いっこしたり、ママとどっちが早く塗れるか競うゲーム感覚で塗る方法もあります。
イヤイヤ期は一時的なものなので、それぞれの子どもに合う「楽しい感覚」「やりたい意欲」が何かを探りながら乗り越えましょう。
スキンケアをすることで肌トラブルを予防することが大切
私たちの肌は、皮脂・天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質の3つの保湿因子のバランスによって皮膚の水分量を一定に保っています。
このバランスが崩れること水分量が減少し、潤いが失われることで乾燥肌になってしまうのです。
赤ちゃんの肌は、大人と違ってこれら3つの保湿因子の量も著しく少ない状態。
肌のバリア機能が未熟な上、水分保持力も未熟なので、外的刺激に弱く肌トラブルがとても起こりやすいです。
汗、皮脂、よだれかぶれ、おむつかぶれ、ミルク、おっぱい、おしっこ、うんち、紫外線、細菌など、外的刺激要素はたくさんあります。
日頃から赤ちゃんのお肌をしっかり保湿してあげるということは、ただ乾燥を防ぐだけではなく、お肌の未熟なバリア機能をサポートし、外的刺激から守ってあげるということと同じです。
赤ちゃんのスキンケアは、肌トラブルを起こしてから慌ててするものではなく、肌トラブルを起こさないように予防するためにも必要なことです。
お風呂上りの保湿だけではなく、食後のお口周りを拭いてあげた後や外出先などでも、日頃からこまめに保湿してあげるように心がけることで、赤ちゃんの肌トラブルを未然に防いであげましょう。