赤ちゃんのアトピー対策には薬とスキンケアの併用がおすすめ

アトピー性皮膚炎の治療で大事なポイントは、肌のバリア機能を修復させてあげることです。

肌を治すのが薬の役目、そして肌トラブルを予防するのがスキンケアの役目です。
どちらが欠けても効果は薄まります。

ここではその薬とスキンケアの役割について詳しく解説しています。

薬とスキンケアを併用することで効果が高まる

アトピー対策の場合保湿はとても重要です。
アトピー肌になっていると、自然に保湿を高めることはなかなか難しく、やはり保湿剤や保湿クリームなどを使って保湿を高めることが推奨されています。

しかし、市販や処方に限らずアトピーの薬を使用している場合、
「ベビーローションと薬の併用は問題ないの?」
と疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。

これはまったく問題ないどころか、是非併用して欲しいことなのです。

ただし、保湿剤にアトピーを緩和する薬剤が含まれているものであれば、それにまた薬剤をつけると必要量を超えてしまうので注意しなければなりません。

そのため、アトピーの薬剤をつける場合は、保湿剤は単に保湿成分だけであるかを確かめて購入しましょう。
医師の処方の場合はそのような心配はありません。

スキンケアの役割

洗って清潔にする

赤ちゃんをお風呂に入れるママ

アトピー性皮膚炎の場合のスキンケアは、二つの目的があります。
まず肌を清潔にするという役割です。

アトピー肌の場合は特に角質層がボロボロになっているので、外敵からのガード機能が非常に低下しています。

そのため、とびひや他にもいろいろな細菌やウイルス、そして紫外線など、肌への攻撃を避けることができません。

特にアトピー肌の悪化には、黄色ブドウ球菌が大きく関係していることも分かっています。

正常肌の場合は汗に含まれている抗菌ペプチドが、この黄色ブドウ球菌を殺菌し増殖を抑えていますが、アトピー肌はこの機能が低下しているのです。
そのため、アトピー肌のスキンケアの一歩が清潔です。

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保湿する

スキンケアする赤ちゃん

角質層は肌細胞内の保湿コントロールや、外敵から守るというガード機能を持っています。
角質層は細胞がレンガのようにしっかり組み重なり、細胞と細胞の間もしっかり美肌成分で埋まっているのです。

だからこそ細胞内の必要な水分を逃すことなく、外敵からもしっかり守ることができるのです。

しかし、アトピー肌は重度の乾燥肌になりやすく、角質層はボロボロ状態。
それによって保湿やガード機能を果たせなくなってしまうため、角質層を整えなければなりません。

そこで保湿剤などを使用して、保湿をサポートすることがアトピー肌のスキンケアでは絶対に欠かせないのです。

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薬の役割

処方箋

炎症を抑えて痒みをとる

アトピーの薬は保湿剤と併用して使用したいものですが、特に薬の役割には炎症を抑えるという働きがあります。

そのためステロイドなどが配合されたものが多くなりますが、炎症をしっかり止めることができ、それによって痒みも緩和。

ある程度使用した後は、少しずつ医師の指導により回数を減らしていき、使用しなくても良い状態に持っていきます。

痒みを止める飲み薬

痛みを止める薬として抗アレルギー薬やヒスタミン薬も使用されます。
これらのそれぞれ目的は違っており、抗アレルギー薬はアレルゲンの影響を受けることで必要以上に出てしまったヒスタミンを抑える効果。

また、抗ヒスタミン薬は出てしまったヒスタミンの受け皿となるタンパク質と合体してしまうのを抑える効果があります。

病院ではアトピー性皮膚炎の進行により、医師がバランス良く処方します。

バリア機能を回復させる

肌のバリア機能

アトピー性皮膚炎の薬には炎症止め、痒み止めの他にバリア機能を回復させるものも。
肌を守る部分には第一次バリア機能を持つ皮脂膜、第二次バリア機能を持つ角質層があります。

どちらもバリア機能には欠かせない部分です。
しかし、薬でバリア機能を回復させる場合は、第一次バリア機能をサポートするグリセリンやワセリンなどが配合され、第二次バリア機能をサポートする成分としてはスクワランやセラミドなどが含まれます。

薬も保湿剤もケチらずたっぷり塗ろう

薬や保湿剤はアトピー性皮膚炎には不可欠です。
もちろん、ただベタベタ付ければ効果があるというものではありません。
適量を、適時に使用することが大切です。

医師の処方のものであれば保険も利くので価格も安く、使用回数や使用量も指導してもらえます。
市販の薬の場合は説明書をよく読み、適量をしっかり使用するようにしましょう。

どちらが欠けてもアトピー治療にはならない

アトピーを治療する場合、簡単な肌荒れとは違いある程度長い期間が必要となります。
しかし、きちんとした治療をしなければ、その期間はどんどん長くなってしまうので注意しましょう。

アトピー肌の治療には炎症を抑え、アレルギーを抑制することと、保湿の両面から治療を行うことが大切になります。

このどちらが欠けても、改善することは難しいと考えておきましょう。
この二つをしっかり行うことで、だんだん改善していきます。

アトピーは治っても再発する可能性が高い

アトピー性皮膚炎はきちんと治療をしてもなかなか改善しない人もいれば、完治する人もいます。

しかし、アレルギー症状が完治した状態であっても、体質が100%改善されない限り、再発する可能性が高いとも言われているのです。

遺伝の影響もあり、もともと持っている体質が大きく変わることは少なく、予防をしっかりすることが必要です。

乾燥およびバリア機能の低下を補完し、炎症の再燃を予防する目的でステロイドを含まない外用薬(保湿剤など)でスキンケアを行う必要がある。すなわち軽微な皮膚症状に対しても外用療法を継続する必要があり、これを怠ると炎症が再燃、ステロイド外用薬などの使用の意義の低下につながる

と九州大学大学院皮膚科学からも発表されています。

その人のアレルゲンによっても違いますが、アレルゲンが分かっている場合は、アトピー肌が改善された後でもアレルゲンを寄せ付けない、食べない、触れないということも大切になります。

そして肌の保湿をしっかりケアすることが重要なのです。

親がアトピーだった場合赤ちゃんにもアトピーは遺伝する

2018年3月19日

アトピーを防ぐためにも薬とスキンケアは欠かさない

赤ちゃんの手を握る

アトピー性皮膚炎の遺伝の可能性がある場合や、1度アトピー性皮膚炎を発症したことがある人は、今後もアトピー予防がとても重要となります。

特に1度発症した人は少しでも怪しい症状を感じたときには薬を使用し、早いうちに治療をしていくことが必要です。

国立成育医療研究センターも新生児期のうちから保湿ケアをすることをオススメしています。

ちなみに、まだ症状が出ていない状態からスキンケアをして予防する治療法を「プロアクティブ療法」と呼びます。
ひと昔前は湿疹やかゆみが出た時に治療する「リアクティブ療法」が主流でしたが、現代ではプロアクティブ療法が主流になってきています。

プロアクティブ療法はバリア機能を高めていく効果があるため、アトピー性皮膚炎の根治につながります。

アトピーだけでなく、乳児湿疹やかぶれなどの予防にも毎日のスキンケアが有効のため、できるだけ欠かさずにスキンケアをしてあげてください。

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