赤ちゃんや幼児のアトピー皮膚炎では、かきむしってしまって出血してしまうということが多々あります。
出血することで焦ってしまうママも少なくないと思います。
そんなときにどのように対処すれば良いのか、慣れていないママなどは不安になってしまうかも知れません。
ここではアトピーで肌を掻いてしまい、出血した場合の対処などについてご紹介します。
この記事の内容
やさしく洗う程度であれば問題はない

赤ちゃんが掻いてしまって出血したときなど、お風呂に入れるのはちょっと心配になります。
しかし軽くお風呂に入って洗う程度であればまったく問題ありません。
肌にやさしい泡タイプのベビーソープがおすすめ
肌を洗うときは肌に優しい泡タイプのベビーソープがおすすめです。
ゼリー状や乳液タイプは肌にべったり付きすぎてしまい、すすぎも時間がかかりついシャワーの当てすぎや手で擦ってしまうことにもなりかねません。
泡タイプならママの手が触れるか触れないかという感じで、優しく洗ってあげることができ、サーッとすすぐこともできます。
また、ベビーソープの中でもできるだけ添加物にこだわった無添加系のものを選ぶと、より刺激が少なくおすすめです。
また、痒みの強いときには、沐浴やお風呂も短時間に済ませるようにしましょう。
出血を放置するととびひなどの二次感染になることも

出血するほど肌を掻いてしまっていると心配で洗うことができない、お風呂に入れることができないと思ってしまいがちですが、優しく洗ってあげるようにしましょう。
皮膚にはいろいろな細菌が混じっており、特にとびひなどの細菌が二次感染するという心配もあるので、是非清潔にしてあげてください。
特にアトピー性皮膚炎の場合、皮膚表面に近い角質層はボロボロになってしまっているため、細菌やウイルスなどの外敵から守ることができません。
そのため、簡単に二次感染を起こしやすいのです。
また、出血は時間がたつと固まりますが、それによって肌が引っ張られ、より刺激を受けて痒みのきっかけをつくることにもつながります。
このような理由から出血は放置する方が危険だと言えるのです。
洗い過ぎはアトピーが悪化することもあるので注意
アトピーを起こしている部分の皮膜や角質層は、もうボロボロの状態になっています。
普通であれば細胞同士が密着して肌を守っているわけですが、アトピー性皮膚炎が発症していると、その状態は完全に崩れてしまっています。
そのため、洗い過ぎは皮膚細胞を傷めることになり、アトピーの悪化にもつながるのです。
刺激の少ない肌に優しいベビーソープで優しく洗うようにしましょう。
洗った後はしっかり保湿してあげよう
洗った後の保湿の重要性

お風呂などから上がったら、まず保湿をしてあげるようにします。
特にお風呂上がりの肌はしっとりしているように感じますが、水分が蒸発するときに皮膚の中の水分まで一緒に蒸発しています。
そのため、保湿ケアはとても重要であり、皮膚に蓋をしてあげる刺激の少ない保湿剤を選びましょう。
お風呂から上がると、秒単位で皮膚内の水分蒸発は始まっているので、サッと体を拭いたらすぐに保湿剤を付けることが大切です。
新生児期による保湿ケアは、アトピー性皮膚炎の発症を3割以上低下するとも言われています。
アトピー性皮膚炎がまだ発症していなくても、保湿剤を使用して保湿を保つことで予防にもなるのです。
また、顔などベビー服から出ている部分は紫外線にも当たります。
皮膜や角質層をボロボロのままにしておくと、紫外線による刺激も直に受けてしまうことになってしまいます。
そのため、いつも肌はしっかり保湿しておくことが大切です。
保湿剤を使用するときの注意

保湿剤を使用することはとてもおすすめですが、やはり注意しなければならないこともあります。
例えば、ママが使用している保湿効果の高いクリームや乳液を、赤ちゃんに使用することがありますが、これは絶対に避けるようにしましょう。
やはりどんな素晴らしい有効成分が配合されていても、大人のものは赤ちゃんにとって濃度が濃すぎることがほとんど。
また、大人にとっては問題のない添加物も、赤ちゃんにとっては害になることもあります。
そのため、ベビー用の保湿クリームやローション、あるいはワセリンがおすすめです。
そして、ベビー用のものでも添加物のチェックを行い、特に無添加のものを選ぶことも大切です。
保湿はお風呂などから上がったときや、クーラーや暖房などを使用して部屋の湿度が下がっているときなどは特に注意したいものです。
部屋に湿度計を置いておくと、保湿剤を塗り直すタイミングの目安にもなります。
ただし、ベタベタ塗ったから良いというものではありません。
かゆみが治まらない場合は皮膚科に相談しよう
保湿剤などで頑張っていても、やはり痒みが治まらないときには皮膚科に相談することも大切です。
皮膚科では適切な診断と処方をしてくれます。
また、保湿剤だけでなく、処方により炎症を抑え、抗アレルギー、抗ヒスタミン剤などで痒みを楽にすることもできるので、あまりママ一人で悩まないことも大切なことです。
皮膚科ではアレルゲンもはっきり検査することができ、食事や生活上の注意などの指導を受けることもできます。
アトピー性皮膚炎の初期は軽い症状なので、皮膚科に行くまでもないという判断をしてしまう場合もありますが、痒みが続く、治らないというときには皮膚科の医師に相談することが必要になります。
ひどくなる前に皮膚科に相談に行くことが大切です。