乳幼児が虫に刺されてしまうと、思ったより傷が重症になってしまうこともあります。
とは言っても強い成分の薬を付けることはできません。
ここでは乳幼児の虫刺され対策に関して解説しています。
この記事の内容
虫に刺されてしまった場合の対処法
患部を洗う
できれば虫に刺されない予防をしたいところですが、無菌状態の部屋に入っているわけではないため、どうしても虫に刺されてしまうことに。
そんなときにまず行うことは患部を洗うということです。
近くに水道がない場合は、ミネラルウォーターや麦茶・緑茶などを持っていれば代用できます。
患部を水で洗い流すのは、刺されたときに患部付近に虫によってバイ菌が付いているためであり、それを流すという意味があるのです。
できるだけ刺されてからすぐに洗ってあげることが大切です。
幼児の場合は痒いと訴えられますが赤ちゃんの場合はわかりにくく、ママは赤ちゃんの肌の変化に敏感でいる意識も必要といえそうです。
患部を冷やす
虫に刺されると、その部分に熱を帯びることがほとんどです。
患部を洗ったら、その部分の腫れを冷やすといいでしょう。
時間的には3分程度冷やすだけでOK。
毒性の少ない虫なら3分冷やすだけで、その後の腫れが酷くなりません。
保冷剤などが良いと言われていますが、冷しすぎると乳幼児の薄い肌には刺激が強いので、冷えたドリンクボトルを当てるぐらいが安心です。
コンビニなどで冷たいドリンクを購入して、冷やしてあげてください。
薬を塗る
腫れを抑え酷くならないように患部を改善していくために、薬を使用することもおすすめです。
ドラッグストアなどで購入できるので、外出のときなど持っていると便利です。
もちろん薬を付ける前に水で流したり、薬を塗ってからでも冷やすことでより早く改善します。
薬の選び方については、まず赤ちゃんも使用できる薬を選ぶようにしましょう。
薬にはステロイド剤配合の炎症を抑えるタイプと、抗ヒスタミン剤配合の痒みを抑えるタイプがあります。
抗ヒスタミン剤タイプは痒みを抑えますが、患部の腫れなどの改善には効果が薄く、痒がり方が酷いときにおすすめです。
そして、腫れ・痒み・痛みなどがある場合はステロイド配合の薬がおすすめです。
また、両方がバランス良く配合されているものもあります。
ステロイドはできるだけ使いたくないと思うママも多いと思いますが、一般的な虫刺されの場合は2~3回程度塗るだけなので、副作用の心配もあまりありません。
炎症を抑え早く改善させることを考えましょう。
ただし、顔や指先、手の甲など舐めやすいところは、薬の使用は控えましょう。
様子を見て、あまりかゆさや腫れなどが酷くなってきたら医師に相談してください。
患部を掻かせないようにする
大人でも蚊などに刺されてしまうと、痒くてたまらないこともあります。
赤ちゃんなどは痒いところを掻くことができないことも多く、赤ちゃんにとって大きなストレスです。
痒い部位が手の届くところであれば、必要以上に掻き壊してしまったりすることもあります。
そのため、手が届くところは掻かないように、手袋をさせたり爪を切ったりと、掻き壊さないようにしましょう。
幼児になると掻かないように言い聞かせることができますが、やはり強い痒みを我慢することはできません。
そのため、抗ヒスタミン系の薬の使用など、痒みを抑えることを考えることも大切です。
虫の種類による対処法
蚊
一番、刺される機会の多い虫が蚊と言われています。
特に夏から秋に掛けて多く発生するので注意が必要です。
もし、蚊に刺されたときにはまず水で患部を流し、ちょっと冷やしてあげてください。
その後、虫刺され用の外用薬の使用もOKですが、ほとんどはそのままでも自然に治ります。
ただし、蚊とは言ってもアレルギーを起こしたりすると、患部が腫れたりただれたりするので、そんなときには病院への受診も考えましょう。
ブヨ
関東ではブヨ、関西ではブトとも呼ばれている虫ですが、蚊などのように血を吸う虫です。
ブヨは刺されてすぐに痒くなる人は意外と少なく、半日程度たってから非常に強い痒みや痛みが襲ってくることがほとんど。
ブヨの唾液物質によるアレルギー反応と言われていますが、唾液には毒素も強く水ぶくれになってしまうこともあります。
毒性の強さから刺された部分に近いところのリンパが腫れることも。
痒がっていなくても、ブヨに刺されたと気づいたら、応急処置として傷口から器具で毒を吸い出しましょう。
できるだけ刺されてから時間が経ってないうちに行うと効果的ですが、口で吸い取るのは絶対に厳禁です。
もし、口の中に傷があると、そこから毒が体内に入って大変なことになりかねません。
ポイズンリムーバーという吸い取り器具があるので、ハイキングや公園などに行くときには持っていくとベストです。
また、毒を吸い取ってもステロイド系の外用薬を使用しましょう。
外用薬がすぐに塗れるならその後に冷やしますが、外用薬がすぐに塗れないときには、先に冷やしてあげてください。
薬は痛みや痒みを抑えてくれることから、掻き壊しなどを予防することもできます。
ブヨの傷は蚊のように細い針が刺した傷ではなく、噛み傷なので傷は深いため、薬は使うようにしましょう。
特にブヨに刺された場合、何日も痛みや痒みが続くので注意が必要です。
痛みや痒みが酷くなるようであれば、病院に診察に行くことをオススメします。
ダニ
特に乳幼児は床を這ったり、床に近い部分で寝ていたりと、ダニの餌食になるリスクも高いと言われています。
もちろん清潔にしているつもりであっても、ダニは結構存在しているものです。
ダニに刺されると、とにかく痒みが強く、まだ思ったところに手が伸ばせない赤ちゃんなどは、体全体を揺すって痒みに耐えているなど、かわいそうな状況になってしまいます。
刺されたところは大体5mm~1cm程度の赤い腫れ上がり、赤さがはっきりしているのが特徴です。
また、幾つか固まって刺されてしまうこともあります。
ダニは服に隠れている部分などの、柔らかい皮膚を刺されることが多く、気づいたら水ぶくれになっていることも。
掻き壊すと傷から常在菌である黄色ブドウ球菌や溶連菌が入ってしまい、とびひにつながってしまいます。
傷を見つけたら水やぬるま湯で傷口を流し、掻き壊さないように爪をしっかり切りましょう。
医師に診察してもらうと安心ですが、休日などの場合はパッチや紙テープで、掻き壊さないように工夫してあげてください。
ダニの発生源も見直し、予防もしっかり考えるようにしましょう。
布団やベビーラックなどの日干しも大切です。
ノミ
ノミに刺された場合もとても強い痒みがあり、噛まれたところも大豆ぐらいの大きさから、大きな場合はサクランボぐらいの水ぶくれが起こります。
当然、掻いてしまえば水ぶくれが破れて痛みが襲ってくることになるため、まずは医師に診察してもらいましょう。
また、ノミがどこにいたのかもチェックして、家の中しか考えられない場合は、対策を考えなければなりません。
ハチ
ハチに刺されると、その瞬間から激痛が起こります。
腫れや痛み、ショック症状などもあり得ます。
セロテープや毛抜きで針を抜き、すぐに水で洗い流し、患部に熱を持つので冷やしながら病院に行きましょう。
病院を受診する目安
刺された虫によって痒みや痛み、水膨れ、腫れなどいろいろです。
そのため、例えば蚊に刺されるたびに病院に行く必要はありません。
しかし、蚊に刺されただけでもアレルギーを起こしたり、酷い状態になれば受診することも大切です。
まず何に刺されたかチェックするのが大切ですが、なかなか分からないことでもあり、その場合は症状でチェックして受診を決めましょう。
痒みや痛みが酷いようであったり、その状態が続くようなら受診します。
また、腫れが酷かったり、水ぶくれができているようであれば、この場合も受診がおすすめです。
虫刺されは予防することが大切
肌の露出を防ぐ
簡単にできる虫刺され予防としては、肌の露出を減らすことです。
もちろんダニのように服に隠れた部分を刺す虫もいますが、特に外出中は露出していない方が刺されるリスクは低下します。
保育園に通っている間など、目の届かない時に刺される場合もあるため、注意しましょう。
虫除けスプレー
虫除けスプレーを肌に吹き掛けておくこともおすすめです。
しかし、乳幼児の場合は乳幼児でも使える虫除けスプレーを使用しましょう。