乳幼児はとても汗っかきのため、汗の処理を怠ってしまうとあせもが出てしまうことが多いです。
乳幼児のあせも対策の一番重要なことはやはり清潔です。
毎日の沐浴やお風呂できちんと汗や皮脂を洗い流し、さっぱりした清潔な状態を保つようにしましょう。
ここではあせも対策としてお風呂に入るコツを紹介します。
この記事の内容
もともと乳幼児はあせもになりやすい体質
乳幼児は、あせもになりやすいと言われています。
その理由はいろいろありますが、一つは代謝が活発なので汗が多いことがあります。
そしてその汗が体に溜まりやすいということがあるようです。
新生児のときには、首も動かせず、寝返りもできず、せいぜい手足をバタバタさせることだけしかできません。
そのため汗は首にも溜まり、寝たきりの背中にも溜まります。
また、頭も枕で蒸れてしまったり、足の付け根や膝の裏、肘、脇などにも汗は溜まってしまうのです。
他にもおむつの中は汗で蒸れています。
このような状態にある赤ちゃんは、毛穴は詰まりやすくなり、あせもができやすくなっているのです。
あせも対策は何よりも清潔が大切
汗の処理をしっかりする
ママはこまめに汗を拭いてあげたり、体勢を変えてあげるなど汗が溜まらないようにし、汗をできるだけ拭いてあげるようにして、あせも予防してあげるようにしましょう。
また、部屋の温度や湿度をこまめに調整してあげることも大切。
寝る位置や場所を変えて背中や頭などの蒸れを予防したり、おむつを外す時間をつくるなどしておむつの中が蒸れないようにする工夫もしてあげてください。
他にも首・膝・肘・脇などに溜まってしまった汗はきれいにしてあげます。
特に赤ちゃんの肌は弱いので、汗を拭き取るときに傷つけてしまうと大変です。
汗を拭くものとして、ガーゼなど汗を吸い取りやすい素材のものを、肌に軽く当てるように拭いてあげましょう。
擦ってしまうと赤ちゃんの肌の負担になってしまいます。
お風呂で洗って清潔にする
お風呂や沐浴も、特に健康に問題がなければ必ず毎日1回は入るようにしましょう。
ただし、いくら汗をいっぱいかいたからといって、1日に何回も沐浴やお風呂に入れることは厳禁です。
お風呂は基本1日1回で十分です。
シャワーであれば、1日2回までとし、1回はサッとぬるま湯だけでベビーソープは使わないようにします。
また、ベビーソープは刺激の少ない無添加のものを使用することもオススメ。
特にあせもができている場合は、ベビーソープに含まれている添加物によって、あせもを悪化せてしまうことにもなりかねません。
そのため成分をしっかりチェックして選ぶことも大切です。
部屋の温度は適温に
ついママたちは大切な赤ちゃんが寒い思いをしては大変とばかりに、部屋の温度も高めに設定してしまいがちです。
しかし実際は赤ちゃんの代謝はとても高く、体温はママより高いため、ママが少し涼しいかなと感じる程度でちょうどいいほど。
そこで背中やあまたなど汗の状態を見ながら、汗が多いようなら部屋の温度を下げるなど、こまめにチェックしてあげましょう。
特に密閉度の高い住宅環境の現代では、あせもの予防として室温のコントロールはとても大切なのです。
ベビーパウダーを使う
お風呂や沐浴から上がったら、ベビーパウダーを使用もおすすめです。
特に夏などはすぐに汗をかきやすいので、清潔なお風呂上がりの肌にパタパタと付けてあげてもOK。
ベビーパウダーは肌をサラサラと乾燥させるものと思われがちですが、あせもを予防し適度に保湿を促すことで昔から天花粉という名前で親しまれてきました。
昔の赤ちゃんの保湿ケアとしてみんなが使っていたものなのです。
湯船には長時間浸からない
乳幼児の場合、浴槽に長時間浸かっていると、血行が良くなり過ぎて痒みを起こしてしまう可能性もあります。
湯船に入っている時間は長くても10分程度にしてあげてください。
あせもが酷い場合はシャワーだけ
あせもが酷いときには、シャワーがおすすめです。
特にあせもが酷くなると、「あせものより」になります。
あせものよりとは、多発性汗腺膿瘍とも呼ばれる小さなあせも水疱が集まって、1つの大きなニキビのようなできものになってしまうものです。
また、小さなあせもが広範囲にでき、赤くなったり膿んでしまったり、重度のあせもに進むことがあります。
このようなときには湯船に長く浸かっていると、悪化することにもなりかねません。
重度のあせもの場合、炎症を起こしているので患部に熱を持っています。
この状態で湯船に長く浸かることで、炎症を進行させてしまうことにもあるのです。
また、湯船には雑菌も多いので細菌感染による、とびひも注意しなければなりません。
そのためサーッと汚れを落とすことのできる、シャワーがおすすめです。
あせもは放っておくととびひになることも
あせもは赤くなってブツブツができたり、水疱ができます。
そして痒みや痛みを伴う症状が一般的です。
とびひは、あせもや蚊などにさされたなど、痒みのため掻き壊してしまった部分に細菌感染をして起こる皮膚疾患です。
つまりあせもを放っておいたり、不潔にしておくと、とびひの感染リスクが高いのです。
特に黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌などの常在菌が傷口に感染して、とびひになります。
そのため、毎日清潔であることやあせもを改善することが、とびひにならないためには必要なのです。
あせもになる原因
あせもの原因を考えると、3つの大きな問題があります。
- 汗が多い
- 蒸れ
- 肌の状態
まず1つ目は汗が多いこと。
これは汗を大量にかかないように、室温やベビー服などの調整が必要となります。
2つ目は蒸れです。
大人と違い動きも自由にならない新生児や、オムツをしている年齢の乳幼児は、特に蒸れを注意しなければなりません。
蒸れは肌をふやかしてしまい、皮膜もなくなり肌は危険にさらされる一方です。
3つ目の原因が肌の状態です。
赤ちゃんの肌はバリア機能が未熟だということもあり、とてもデリケートな状態になっています。
肌の水分量は驚くほど少ないのです。
保湿ケアをこまめにする
赤ちゃんの肌を強い状態にするには、どうしても保湿ケアは欠かせません。
保湿ケアはデリケートな赤ちゃんの肌を強くしてくれるため、あせも予防だけでなく、紫外線からも肌細胞を守り、とびひやニキビなどの細菌感染からも守ることができるのです。
赤ちゃんの肌は美肌の代表のように思われていますが、実はまだまだ未熟な状態で保湿力が不足しています。
大人よりも新しい肌なので、見るからに美しいわけですが、その美しい肌を守ってあげるためにも保湿ケアをしっかり行いたいものです。
汗で肌がしっとりしていたり、つやつやしたオイリーな肌であっても、保湿ケアは毎日忘れずにしてあげてください。
あせもができやすい夏はローションタイプがおすすめです。
※参考文献:アトピー性皮膚炎のスキンケアQ&A(独立行政法人環境再生保全機構)