乳児湿疹の原因の1つに母乳の栄養不足、質の悪さなどがあるのではないかと不安に思っているママもいます。
「もしかして母乳が原因じゃない?」
「ママの食生活が悪いから…」
と周りに言われることも多いかと思います。
ここではその母乳と乳児湿疹の関係などについて解説していきたいと思います。
この記事の内容
母乳の影響で乳児湿疹になることもある
母乳の影響による乳児湿疹になる可能性はあります。
もちろん母乳だけでなく環境の問題などいろいろなことが重なって起こることが多いので、母乳に関してもしっかり見直すようにしなければなりません。
そういう意味では母親の食事の重要性を考えることも大切です。
特に脂質の多いものを減らすようにしましょう。
母乳の中に脂質が多くなると、どうしても赤ちゃんも脂質を多く摂取することになり、それによって乳児湿疹のリスクは高くなります。
脂質を減らすためにも、魚もしっかり摂るようにしましょう。
魚にはDHA・EPAなど体内の脂肪を減らす働きもあり、子どもの成長のためにも欠かせない成分です。
また、成長のためには当然、全体的な栄養のバランスを考えた食生活が大切ですが、特に子育て中はストレスも多いので、つい甘いお菓子なども食べ過ぎてしまうことも。
お菓子の食べ過ぎは、脂質の摂りすぎになりやすいので注意しましょう。
良い母乳のためにママが心掛けたいこと
貧血にならないようにする
母乳を出しているママにとって、貧血も注意しなければなりません。
妊娠中や授乳中は、子どもに必要な栄養はママより優先的に子どもに与えるようになります。
胎児や子どもは急激な成長をするため、骨、肉、血をつくる成分が豊富に必要となるのです。
血を作るためには葉酸やビタミンB6、ビタミンB12、鉄分などが特に多く必要ですが、普段の食生活からは満足に摂取することも難しく、ママの方が貧血になるというパターンが増えてしまうのです。
この状態は子どもにとっても大切な造血成分が不足している可能性があります。
そのため、しっかりビタミンB群や鉄分を摂ってあげてください。
毎日の食事から摂ることが難しいときには、サプリなども上手に利用してみるのもオススメ。
ただしこの時期に摂取するサプリは妊娠中、授乳中用のものを選ぶことも大切です。
栄養バランスのとれた食事をする
赤ちゃんはこれから体がどんどん成長するため、ビタミンやミネラルをはじめ、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが必要となります。
しかし、現在の日本人の1日の平均摂取量についても、カルシウム不足、鉄不足、野菜不足などが厚生労働省で警告をしています。
これは多くの日本人が平均的に1日の必要摂取量を大幅に低下しているというものです。
つまり、特に意識しない食生活を送っていると、これらの栄養不足は当然のように起こってしまいます。
上記の栄養素は授乳期には欠かせないものなので、意識して積極的に摂取するようにしなければなりません。
このようなことも考えて、バランスの良い食事を心掛けることで、質の高い母乳を出すことができるのです。
また、第55回日本アレルギー学会では以下のような発表もされています。
授乳中に卵を多く摂取した母親から生まれたこどもは卵アレルギー (アレルギー疾患全般には 有意差なし)になりにくく, 妊娠中や授乳中に揚げ物やファストフードを多く摂取した場合は児のアトピー性皮膚炎(皮膚炎のみ で他のアレルギー疾患には有意差なし)の罹患率が低いという結果が得られた
ストレスを溜めない
授乳時期はママにとって特にストレスが溜まりやすい時期でもあります。
どうしても寝不足になる、赤ちゃんにかかりっきりで自分の自由がない、家事と育児でくたくた、我慢我慢ばかりなどストレスが溜まります。
このような状況になると母乳の出が悪くなってしまうこともあるのです。
そのため、上手にストレス解消をすることも大切です。
また、お酒やタバコなどによるストレス発散は授乳中に行わないようにしましょう。
アレルギーなどは遺伝することもある
アレルギーなどは残念ながら遺伝することもあります。
片親がアレルギーを持っていると約30%、両親がアレルギーを持っていると約50%程度が遺伝すると言われているのです。
しかし、遺伝子を持っていてもスキンケアなどで予防をしっかり行えば発症しないこともあります。
また、アレルギー体質であってもアトピー性皮膚炎の発症しないこともありますが、乳児湿疹のトラブルが悪化しやすいこともあるので、ひどくならないうちに医師に相談することも考えましょう。
乳児湿疹にならないようにする
生活環境も整える
乳児湿疹の予防、改善のためには赤ちゃんのいる部屋の環境なども整えるようにしましょう。
まず、部屋の気温や湿度などをコントロールして、できるだけ快適な状態で汗をかきすぎないようにしてあげてください。
また、ベビー服なども部屋の状況に合わせて脱ぎ着させるようにします。
他にも寝返りが打てない赤ちゃんの敷き布団は汗でいっぱいです。
そのため、外干ししたり布団乾燥機などを使うなどして、湿気を取るようにしましょう。
また、赤ちゃんのストレスの原因となる睡眠を邪魔しないように、静かな部屋であることも大切です。
清潔を保つ
乳児湿疹は赤ちゃんに起こりやすい湿疹ですが、清潔を心掛けることで発症を予防したり、軽い症状で済むようになります。
もちろん赤ちゃんを毎日沐浴に入れて、きれいにしていると思います。
しかし、おむつでむれているお尻、よだれなどが常時ついている頬、汗が溜まりやすい首など、汗や汚れが付きやすくなります。
むれやすい部分は細菌の温床になるので、できるだけその部分は拭くなどきれいにしてあげましょう。
また、沐浴のときには刺激の少ない、無添加にこだわったベビー用ボディーソープを使用し、きれいに洗浄することとも大切です。
保湿ケアを欠かさない
赤ちゃんは汗やよだれ、むれなどによって、皮膜がしっかり保たれていない部分も多くなります。
また、赤ちゃんの皮膚表面付近の角質層は、さまざまな刺激から肌を守る働きがありますが、まだまだそのバリア機能は未熟です。
そのため、肌を守る働きをサポートするためには、保湿ケアが重要となります。
ベビーオイルや、保湿ケアクリームなどを使用してケアをしてあげましょう。
保湿ケアが行き届かないことから乳児性湿疹ができたり、アトピー性皮膚炎の発症などのきっかけになることにもなってしまうのです。