母乳育児はミルク育児と比べるとメリットが多いと言われていますが、
「母乳育児が良いって言われているけど、何が良いの?」
と実はどういったメリットがあるのかを知らないママも少なくありません。
また、メリットがあればもちろんデメリットも存在します。
なぜ、母乳育児が良いと言われるのか、また母乳育児で注意しなければいけないことなども知っておきましょう。
この記事の内容
母乳育児のメリット
脳の成長を助けるアミノ酸が豊富
母乳にはさまざまな栄養素が含まれており、赤ちゃんにとっては完全食とも言われているほどです。
成長に大切な栄養素が、とても吸収しやすいかたちで含まれているのも母乳の特徴と言えます。
赤ちゃんの急速な成長に合わせ、体の基とも言えるアミノ酸も豊富に含まれています。
このアミノ酸こそ大脳内皮質や小脳、判断や記憶に深く関わる伝達物質などの材料になるのです。
記憶力、判断力などいわゆる能力の高さに直結する海馬(脳)には、ドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富と必要となりますが、母乳には豊富に含まれています。
そして、造血に必要な鉄分をはじめとするビタミン・ミネラルも豊富に含まれており、脳には豊富な血液によって酸素もしっかり運ばれ、脳の成長と活性化に働きます。
このように母乳にはアミノ酸をはじめ、脳の成長を促進させる成分がたくさん含まれているのです。
免疫力が高くなる
赤ちゃんはママのお腹の中にいるときに、胎盤を通して移行する免疫があります。
風疹や麻疹、水疱瘡などのウイルスから体を守る免疫グロブリンGという免疫がありますが、生後半年ぐらいでほとんどなくなります。
そして、母乳に含まれているグロブリンAという免疫が、生まれてからの赤ちゃんをいろいろな菌から守るのです。
グロプリンAは特に初乳に多く含まれ、3~5日程度で10分の1ぐらいに減ります。
しかし、減ってしまってもこのグロブリンAが赤ちゃんの消化管の粘膜をはじめ、さまざまな粘膜などをカバーし、さまざまな感染から守ります。
そのため、母乳を飲んでいる間はこのグロブリンAを摂取できることから、ミルクより免疫力が強いと言われ、母乳育児の赤ちゃんは風邪などひきにくいと言われています。
この母乳をしっかり飲んでいる赤ちゃんに高熱や嘔吐などが発症したときには、何か別な疾患があるかも知れないと疑われることもあるほどです。
缶やパッケージなどのごみが出ない
母乳育児はミルクの缶やパッケージのごみが出ません。
新生児の授乳であれば大体1ヶ月に3缶程度必要であり、生後4ヶ月を過ぎる頃になると6日に1缶程度必要となります。
離乳食がだんだん増えてくればミルクは減っていきますが、それでもトータルでミルク缶は結構ごみとして出さなければなりません。
ミルク代が掛からないため経済的
母乳はミルク代が掛からないため経済的にもお得と言えます。
大体ミルクで育てる場合、新生児から生後10ヶ月まででも、約平均90,000万円程度必要となるのです。
ただし、母乳の場合も質の高い母乳を出すために、妊娠前より質の良い食品を食べるなど食費に負担が掛かる可能性はあります。
それでもミルクほど多くの出費にはならないのではないでしょうか。
外出時の荷物が少ない
外出のときにはミルク育児の場合、ミルクの他にも哺乳瓶やお湯の入った魔法瓶など、荷物が結構多くなってしまいます。
その点、母乳ならママさえいればいつでも母乳を与えることができます。
ただし、そうは言ってもどこでも母乳をあげられるというわけにはいきません。
最近はいろいろな施設に母乳室が完備されているところも増えていますが、どこでも母乳を与えることができる母乳ケープなどを1つ持っておくと便利です。
布で出来たものなので、かさばらず小さく畳めるので持ち運びもオススメです。
顎が発達する
母乳の場合、おっぱいから母乳を吸い込むわけですが、そのときには上唇も下唇も外向きに開いた形になっています。
そして、舌と顎をしっかり使っておっぱいを刺激することで母乳が出るため、顎もしっかり鍛えられます。
顎を鍛えることは脳の発育にも良いというメリットもあるのです。
ミルクを哺乳瓶から飲む場合は、母乳とは逆に唇が内側に丸まることが多くなり、哺乳瓶の乳首を軽く吸うだけで飲めてしまい、母乳のときのように顎を使いません。
このような違いから母乳の赤ちゃんの方が顎の発育にも、歯並びにも良い影響があると言われています。
ママと赤ちゃんのスキンシップになる
母乳を飲むときには口だけでなくホッペや鼻もママのおっぱいに触れ、手もおっぱいに触ったりしながら、ママとのスキンシップは哺乳瓶で飲むよりずっと多くなります。
また、ママの鼓動を聞き、あるいは体で感じながらおっぱいを飲むため、自然とママとのスキンシップは濃厚となり、精神的な安定感にもつながります。
母乳育児のデメリット
飲む量を調節しにくい
母乳の場合、好きなだけ母乳を飲んでしまいます。
ママの母乳の出が悪いときには、欲しいだけ飲むことができずにぐずったり、回数が増えることもあります。
その点、ミルクの場合は最初から決めた分量のミルクを与えることができ、与える量のコントロールがしやすいと言えます。
また、ママの体調によっては母乳が出にくい時があるなど不安定な場合もあります。
ママにストレスが掛かりやすい
母乳はどうしてもママが与えるしかないので、ママにとって赤ちゃんに掛かりっきり感が強くなり、ストレスとなってしまう可能性もあります。
例えば、パパなどに預けてショッピングや美容院などでストレス解消をしたくても、赤ちゃんがお腹を空かせてしまうため、なかなか赤ちゃんから離れられません。
母乳の質によって乳児湿疹になる可能性がある
ママの食事の質によって、赤ちゃんに影響を与えることもあります。
特に油料理やジャンクフード、脂質の多い肉類など脂肪分の多い食べ物を多く食べていると、母乳内容も脂肪分が多くなり、赤ちゃんは消化不良を起こすことも。
それによって赤ちゃんの顔などに、ニキビのような乳児湿疹を起こすリスクも高まります。
母乳の質を高めることも意識しよう
母乳で育てているママは、やはりただ母乳だから安心するのではなく、母乳の質を高めることも考えましょう。
そのため、栄養バランスの良い食事を心掛け、過度なダイエットなど授乳中は避けなければなりません。
また、毎日必要な栄養素をきちんと摂るようにします。
母乳に含まれているDHAなど、脳の成長にも影響のある成分が不足しないように、魚などもバランス良く摂るようにしましょう。
もちろんタンパク質、ビタミン、ミネラルなども不足しないように注意が必要です。
また、母乳の質を高めるためには腸内環境もとても重要なため食物繊維をしっかり摂りましょう。
そして添加物の多いものや薬など、母乳を通して赤ちゃんにも影響を及ぼすものはできるだけ避けることも大切です。