一見おむつかぶれに見える症状でも、カンジダ性皮膚炎という症状になっている可能性もあります。
カンジダと普通のおむつかぶれでは治療方法が違うため、知らずにいると逆効果になってしまうこともあるとされています。
ここではどのような違いがあるのか、カンジダとはどのようなものかなどを解説していきます。
この記事の内容
カンジダ性皮膚炎の原因
カンジダ性皮膚炎の原因はカビの一つであるカンジダ菌によるものです。
カンジダ菌は皮膚や便など様々なところに生息している菌で、いわゆる常在菌の一つと言われています。
どの常在菌も通常であれば体に悪影響を与えることはありません。
しかし、その菌にとって増殖がしやすい温床となる環境があると、そこで菌が増殖して悪影響を与えるようになります。
例えば、ニキビを引き起こすアクネ菌なども同じように常在菌であり、毛穴で増殖してしまうとニキビという炎症を起こすトラブルとなります。
特に温度、湿度などが増殖に最適な場所は注意しなければなりません。
赤ちゃんは抵抗力も弱いため、湿気の高い背中、脇の下、膝の裏、肘、首、おむつの中などに発生しやすいと言われています。
カンジダの症状
おむつかぶれとの見分け方
カンジダは一見おむつかぶれや汗疹にも似ているため、間違えられやすいと言われています。
カンジダ性皮膚炎は膿を持った赤いぶつぶつができることも多く、他にも赤く腫れ上がり熱を持った状態になることもあるのです。
また、シワの中まで小さい赤みのあるブツブツができることも。
おむつの中などは非常に蒸れやすく、ブツブツが潰れて膿が出してしまうこともあります。
小さな水ぶくれがたくさんでき、潰れてぐじゅぐじゅになることもあるので、このような症状があれば医師に相談してください。
カンジダも再発する可能性がある
カンジダは一見改善したように見えても、菌がしっかり殺菌されるまでは再発しやすいので注意しましょう。
そのため、抗真菌剤は少し長めに使用することも大切です。
当然、一度できてしまった部分はカンジダ菌が増殖しやすいところなので、その部分を改善しなければ、また常在しているカンジダが増殖して再発することもあり得るということです。
カンジダの対処法
早めに皮膚科を受診する
カンジダ性皮膚炎になってしまうと、ほとんど自然に治るということはありません。
放置しておくと酷くなる一方なので、早めに皮膚科に受診することが重要です。
また、自己判断で汗疹やおむつかぶれのつもりで市販の薬を使ってしまうと、逆に症状が酷くなってしまうこともあるので注意しなければなりません。
そのため、症状をチェックして、酷くなるようであれば早めに皮膚科に相談しましょう。
薬を塗れば治る可能性が高い
カンジダ性皮膚炎の場合、処方された抗真菌薬を使用することでほとんど完治することができます。
また、再生しないためにも発症した原因をチェックして、ムレやすい状態の改善などもしっかり行うようにしましょう。
かぶれ系の薬では逆効果にもなるので自己判断は危険です。
再発させないようにするために自宅でできること
おむつはこまめに交換する
おむつに包まれている部分にカンジダ性皮膚炎ができることも多いので、おむつはこまめに交換するようにしましょう。
おむつをしているとどうしてもムレが強いため、カンジダ菌の温床となりやすいのです。
そのため、できるだけこまめにおむつ替えをすることで清潔を保ち、肌を湿気から開放してあげましょう。
乾燥させる時も必要
赤ちゃんの皮膚は乾燥しやすく外部からの影響から守れないので、できるだけ皮膚の保湿ケアは重要です。
しかし、お尻表面の状態が汗やムレなどで湿っている場合は、カンジダ菌の温床になりやすい環境となります。
そのため、あえてお尻表面の皮膚を乾燥させることも必要となります。
特におむつに包まれている部分は、幾ら保湿ケアをしてもお尻表面の湿気を取ることはできません。
そこで日の当たる温かいところなどで、少しの時間でも赤ちゃんをおむつから開放してあげることも大切です。
おむつを替えるときなどお尻をキレイに拭いたら、おむつを付けずに少しそのままの状態でお尻の湿気を取ってあげましょう。
多少の時間であってもおむつから開放してあげる時間があると、それだけでも相当お尻はさっぱりすることができるのです。
デリケートゾーンは清潔にしてあげる
赤ちゃんのデリケートゾーンはやっぱり清潔にしてあげるのが大切です。
そのため、お風呂や沐浴によってお尻を数分間お湯に入れて、毛穴の中の汚れからしっかり取ってあげましょう。
だからといって何回もお風呂に入れて清潔にするというのは逆効果です。
特に夏など汗が多い時期や下痢などをしたときには、1日1回のお風呂以外にシャワーで軽く洗ってあげてください。
また、太もものつけねやお尻には細かいシワもたくさんあるので、優しくきちんと洗ってあげるというママの意識も大切です。
とてもデリケートな部分なので、合成界面活性剤をはじめ、添加物ができるだけ含まれていないベビーソープなどを選ぶようにしましょう。
保湿ケアをしっかりする
赤ちゃんの肌はまだまだ未熟で、肌をガードする機能が十分ではありません。
その上、汗をかきやすく溜まりやすい部分は、カンジダ菌などいろいろな雑菌の温床となりやすく、さまざまなトラブルの原因となります。
そのため、保湿ケアがとても重要となるのです。
角質層が未完成である乳幼児は、細胞内の水分をどんどん蒸発させてしまうため、表皮をサポートする保湿剤はとても重要なのです。
そして、カンジダ菌のように外敵からしっかり守るベール効果の高い保湿剤を選ぶことも大切です。
特にカンジダ菌が繁殖しやすい部分にはベビーローションなどがおすすめです。
ワセリンなどを使う方もいますが、ベビーローションの方が油分とのバランスもよく、保湿性も高く使いやすいです。